私の働いている法人では、各作物に対して担当制で収穫や作物の管理を任されています。 自分も担当している作物が複数あるのですが、追肥のタイミングや異変を察知することがとても重要だと日々感じています。
チッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)といった多量要素は割と過剰症と欠乏症の特徴が解説されている本がありますが、ホウ素(B)やマンガン(Mn)などの微量要素の過剰症や欠乏症についても詳しく解説されている本を探していました。
そんな折、タイトルの書籍に出会った訳ですが、これが分かりやすく網羅性のある内容でバイブルになりそうな感じがしています。
目次
- チッ素の欠乏と過剰症
- リンサンの欠乏と過剰症
- カリの欠乏と過剰症
- カルシウムの欠乏と過剰症
- マグネシウムの欠乏と過剰症
- 鉄の欠乏と過剰症
- ホウ素の欠乏と過剰症
- マンガンの欠乏と過剰症
- 亜鉛の欠乏と過剰症
- 銅の欠乏と過剰症
- ニッケルの欠乏と過剰症
- その他の要素の欠乏と過剰症
各種ミネラルの働きと過剰・欠乏時のサイン
この本がとても優れていると感じる点は、ミネラルごとの過剰・欠乏時の解説がされている点。 例えば、チッ素欠乏では下葉より均一に黄化することが多く、その例もカラーで図解されている。 各種ミネラルが不足した際に作物を問わず普遍的に発生する症例(チッ素欠乏であれば下葉から黄化など)が詳解されていることは、ミネラルの特性を抑える上でも非常に役に立つと思います。
過剰症・欠乏症の発生原因
また、現場の農業ではミネラルの過剰や欠乏が判断できたとして、次のアクションとしてはその発生原因を特定し、対策を講じる必要があります。
本書では発生原因が発生するケースやその対策が書かれています。例えばリン酸は難溶性の性質があり、他の要素と比較して土壌からの流亡が非常に少なくに固定されやすい。そのため、リン酸過剰の土壌においてはリン酸の施用を控え、(リン酸)過剰による欠乏のでやすい亜鉛や鉄などのミネラルの施用を増加させるなどの対策が考えられる。