ひも的株式投資ログ

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青年就農給付金について調べたことのメモ

農業をはじめてビックリしたことのひとつに、多額の助成金がありました。小売業や建設業などでも助成金があるのかもしれませんが、農業の場合は国庫からかなりの税金が投入されていることを知りました。とりわけ、あとで述べる「青年就農給付金」もあり、新規就農者にとってはとても恵まれた環境だと思います。

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数ある助成金でも一際大きなお金が動くのが「青年就農給付金(準備型)/(経営型)」です。給付金の概要と目的が農水省HPに記載がありました。

 青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、就農前の研修期間(2年以内)及び経営が不安定な就農直後(5年以内)の所得を確保する給付金を給付します。 -農水省HPより引用

 研修期間に支給されるのがいわゆる「準備型」というもので、経営開始後に支給されるのが「経営型」になります。それぞれ給付金額は最大150万円です。また、夫婦で経営に参加する場合は最大225万円が支給されます。

 

青年就農給付金(準備型)

この「準備型」の支給対象者は、以下の要件を満たす必要があります。

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 この準備型を申請する人は農家で研修を行うか、または農業大学校や専門学校(日本農業大学校など)の学費に充当する方が多いように思います。

平たく言うと、学費または研修中の生活費ということですね。支給要件には基本的に「農業経営を行う」ことが前提になっています。経営をはじめてもすぐに辞めちゃうようだったら返還してね、という感じで文面だけ見るとかなり返還要件も厳しめです。

 

青年就農給付金(経営開始型)

いま自分が関心があるのが、この「経営開始型」です。(自分は既に農業法人での勤務を開始していますので、「準備型」は支給対象外なので。)支給要件は以下の通りです。

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この経営開始型では、給付停止要件があります。給付金を除く本人の所得が350万円を超えた場合、または適切な経営(怠けるとか)がされていない場合は給付の停止となります。

また、平成27年度から前年の所得によって給付金額が変動する仕組みが導入されました。これまでは前年の所得が250万円を超えた場合は給付停止とする仕組みでしたが、改正後は以下のような計算式によって給付金額が決定するようになりました。

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この改正によって、どのような所得によってどのような給付金額の差があるのか見てみましょう。

○ケース1:前年200万円の所得があった場合

  • 改正前:250万円を超えていないので、150万円満額支給
  • 改正後:90万円が支給される
     計算式(350 - 200)* 3/5 = 90万円

○ケース2:前年260万円の所得があった場合

  • 改正前:250万円を超えたので給付停止(支給額0円)
  • 改正後:54万円が支給される 
     計算式(350 - 260)* 3/5 = 54万円

ケース1では、前年の所が200万円の場合は改正の前後で支給金額に60万円の差があり、改正前の方が支給額が大きいです。反対にケース2では、改正前は支給が全くなかったのに対して、改正後では54万円の支給がされます。

つまり今回の支給金額の変動制は、250万円を超える所得がある人にはプラスに、逆にそれ未満の人にはマイナスになる変更ということです。これで、例えば所得を249万円でセーブしていた人はそれを気にする必要がある程度なくなるということでしょう。

この計算式をすべての受給対象者にあてはめることの行政のコストは結構高くつくと思うのですが、思想としてはこれが本来あるべき姿なのかなーとも思ったり。

ちなみに前年の所得が350万円を超えた場合は給付停止になります。これは上限が高くなった格好ですね。そして、経営1年目は前年の経営所得がありませんので、150万円満額支給されるようです。

青年就農給付金のデメリット

ここまで多くの給付が受けられることは書いてきましたが、デメリットについても個人的な考察を書いてみたいと思います。

と言ったものの、これといったデメリットがない!ように思うんです。。よく耳にするのは青年就農給付金を生活費の充てにしてしまうあまり、経営がかえって軌道に乗らなくなるというもの。でもこれって、その人の資質に依るところが大きく、明らかに青年就農給付金自体のデメリットではないですよね?

 

なので、決定的なデメリットってのは思い浮かばないというのが実感です。なにか「これってデメリットじゃない?」というのがありましたら、ぜひコメント頂けると嬉しいです。