ひも的株式投資ログ

ひも生活っぽい感じから抜け出したい人のブログ

官報における決算公告の閲覧方法について

自分は経営に関する情報を集めるのがとにかく好きで、株式投資をしているので上場企業の決算情報を特によく閲覧しています。

その一方で、将来自分で事業を行いたい気持ちがあるので、非上場の企業の決算も同じくらいチェックしています。創業間もない会社の決算とかは結構よく見ます。その時に使うのが国立印刷局のインターネット版「官報」です。

 

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官報の閲覧方法

官報は誰でも閲覧することができます。閲覧方法は以下の通りです。

まず、インターネット版官報のホームページにアクセス。閲覧したい日付の「号外」をクリックします。(下図の赤枠)

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クリックすると以下のような画面が表示されますので、下の方にある「会社決算公告」をクリックしましょう。

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画面が決算公告のものに切り替わると、以下のように貸借対照表が掲載されているページが表示されます。(貸借対照表が掲載されていないページもありますが。)

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決算公告でリリースされる財務諸表は基本的に貸借対照表なので、利益は最終利益である当期純利益しか確認できません(営業利益や経常利益は貸借対照表からは読み取れないため)。ですが、基本的には気になった会社の名前をGoogleで検索して、事業内容と当期純利益を見比べるという使い方しかしていないので、経常利益などが分からなくてもなんら問題に思うことはありません。(僕の場合における話ですが。)

企業はなぜ決算公告を行うのか?

インターネット版官報での決算公告の閲覧方法を見てみましたが、そもそも企業はなんで決算公告を行うのでしょうか?何か法律的な束縛があるのでしょうか。

結論から言うと、会社法で規定されています。前年度の決算内容について、その内容を債権者や投資家に広く伝えることが全ての株式会社に義務付けられているんです。その時に用いるメディアは、官報や日刊新聞紙(日本経済新聞など)、自社のWEBサイトなどが利用可能です。

会社法第440条、939条において、以下のように定められています。

--会社法第440条

定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告しなければならない

 

-- 会社第法939条

会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。

一 官報に掲載する方法
二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
三 電子公告

ですので、定款で官報に掲載する方法を定めている会社は、官報に貸借対照表を掲載しているのですね。ちなみに、非上場企業の大会社は貸借対照表に加えて、損益計算書も公告しなければいけません。

でも、多くの会社は決算公告をしていないのが現状でしょう。特に100%経営者が株式を保有している場合なんかは、「別にわざわざ公表しなくていいじゃん」となるのも無理がないのでしょう。

官報で決算公告を行う場合の費用は?

先ほど官報における貸借対照表の閲覧方法を図解しましたが、その掲載に企業はどれだけのお金を払っているのでしょうか?

官報を販売している「株式会社かんぽう」のホームページを除いてみると、一般的な公告の手段として用いられる貸借対照表の掲載には72,978円かかるようです。

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費用もなかなかの高額なんですね。正直、自社のホームページに貸借対照表を掲載した方が、時間的にも金銭的にも会社の経営に優しい気がしてしまいますねw

無料で決算を閲覧するもうひとつの方法

インターネット版官報は誰でも無料で利用できると書きました。その他に決算を閲覧したい場合は、帝国データバンクの提供しているTDB企業サーチというサービスを利用するのもいいでしょう。利用方法を簡単に記載しておきます。

 

まず、帝国データバンクのホームページにアクセス

www.tdb.co.jp

以下の赤枠にある「企業情報」をクリックします

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クリック後、以下の画面が表示されますので、さらに「TDB企業サーチ」を選択します。

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最後に検索条件を指定すれば、開示情報を閲覧可能です。以下の赤枠内にチェックを入れて、表示された検索結果の右にある「開示情報」(図では緑の枠線)をクリックすれば、各企業の決算などが閲覧できます。

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帝国データに掲載されている開示情報は、各社フォーマットがバラバラなので、見ていて個性があって面白い。こんな開示方法もあるんだと勉強になります。

結局、決算を見て何が面白いの?

たまに、ふと思うのですが、自分はなんで血眼になって知りもしない会社の決算を眺めているんだろうと。突き詰めると、世の中の役に立っているモノやサービスって一体なんなんだ?ということが、決算公告から読み取れるからだと思います。

以前、DeNAの南場前社長が著書のなかで、「利益額は会社の通信簿である」という趣旨の発言がありました。結局はどんな会社が評価されていて、どんな会社が評価されていないのか?ということが窺い知れるのが面白い。そういうことだと思います。