池上彰さんのテレビ番組を見ていて初めて知ったのですが、芋焼酎で有名な霧島酒造(宮崎県都城市)が焼酎粕処理を兼ねたバイオマス発電で、年間2.5億円の売電収入があるそうです。すごくないですか、これ。エコだし、相当大きな売上ですしね。
サツマイモ発電事業の詳細については、半年ほど前に日経の記事が出ていましたので、こちらをご覧ください。(電子版会員限定記事ですが)
記事が読めない人向けに要約しますと、霧島酒造では毎日340トンのサツマイモを使用し、そのうち焼酎製造に向かないものサツマイモが10トンほどが残渣(ざんさ)として廃棄物になってしまうそう。そしてそれとは別に「焼酎かす」が650トンも出るのですが、この残渣と焼酎かすを混和して、メタンガスを生成させ、そのガスでタービンを回し発電するという仕組み。
発電した電気は、再エネ電気の固定価格買い取り制度(FIT)に基づき、九州電力に1kWh当たり39円(税抜き)で買い取られるそうです。
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温室効果ガスとしても有名なメタンガス
ここからは、霧島酒造の発電とは別の話になりますが、メタンガスは温室効果ガスとしても有名だったりします。特によく聞くのが、家畜のゲップや放屁(おなら)ではないかと思います。
以前、小学生の時に「牛のゲップが地球温暖化の原因になっている」と聞いて、衝撃を受けたのを思い出します。牛は胃袋が4つある動物(はんそう動物)で、その消化の過程でメタンガスが「大量」に発生するらしいのですが、その量は地球全体で一兆5千億リットル/日にも及ぶとも言われています。
このメタンガスは、温室効果ガスである「二酸化炭素(Co2)」の20倍以上の温室効果を持っているそうで、さらに付け加えると大気中のメタンガスの20~30%程度が牛などのはんすう動物によるものという説もあったりします。
メタンガスが発生する仕組み
メタンガスがどのように発生するかが気になったので調べてみました。まず、キーワードは「メタン発酵」。その名の通り、発酵によってメタンガスが発生するものですが、これは有機物を酸素のない環境(嫌気環境)で微生物に分解させることによってガスを発生させます。
ちなみに、有機物や植物残渣が大量に発生する農業の世界においては、埼玉県の霧里農場(小川町)では、簡易型のメタン発酵プラントを製造して、ガスストーブや料理用のガスとして使用しているそうです。
メタンガスの有効利用は、地球環境にも優しく、そして霧島酒造のように事業としても成立しようとしていることから、個人的にもう少し深掘りして調べてみようと思います。