〇〇理論ってのは世の中にたくさんありまして、そのほとんどは名前を聞いただけではよく中身が理解できないものが多いように感じます。
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先日、浜田宏一内閣官房参与が支持?していると言われております、「シムズ理論」というのを耳にしました。シムズ理論の「シムズ」とはアメリカの経済学者、クリストファー・シムズ(Christopher Albert Sims)が提唱している経済理論のことのようで、主に以下の特徴があります。
※具体的にシムズ理論は体系的にまとまった理論ではなく、シムズ教授の主義や主張の集合をなんとなくシムズ理論と呼んでいる気がします。
国の借金は増税で賄うのではなく、インフレで相殺すべき
特徴的な主張としてはこれでしょう。積極的な財政拡大によってインフレに傾けるというもの。物価上昇率2%の目標が達成可能な範囲になるまで、増税は行わずに財政拡大によってインフレを誘発する。シムズ教授の主張として、日本政府が取るべき行動は、将来にわたって増税は行わないと政府が宣言し、足元の消費を拡大させインフレに傾けることだそうです。シムズ理論を日本の経済政策にあてはめた場合にはこれが骨子になるのかなと。正直、検索してもあまり情報が出ていないので、自信がないのですが。。
参考になりそうな情報としては、日本ビジネスプレスに寄稿している池田信夫先生の記事などが参考になるでしょう。
--追記2017.2.10
そもそもインフレってなんだっけ?
いまさらながら、インフレとは何かということですが、インフレとはお金の価値が下がるということを意味します。例えば以前、缶ジュースは100円で購入できましたが、いまでは概ね120円となっていますね。以前と同じ100円を出しても缶ジュースは買えず、あと20円必要になってしまいました。
このことから、お金の価値がモノの価値に比べて下がっているということが言えます。つまりこれはインフレ状態ですね。
インフレ状況下では、借金が相対的に少なくなります(資産も目減りする)。以下、ちょっとした例を基にみて見ましょう。
たとえば、借金が100万円ある人がいたとして、その人は給与を毎月20万円もらっています。インフレが進行すると所得も上がりますので、少々極端ではありますが給与が50万円になったとしますね。すると、給与2ヶ月分を借金の返済に充てれば借金が完済できることになります。インフレ前は5ヶ月分の給与が必要だったことを考えますと、相対的に借金が少なくなったことが分かります。(借金完済までの道のり:給与5ヶ月⇒給与2ヶ月分になった)
いまの日本のテーマは「デフレ脱却」
いまの日本の経済状況はインフレではなく、デフレ状態です。デフレはインフレの逆で物価の継続的な下落を意味しますが、一見するとモノの値段が安くなるのでメリットがあるように見えます。ところが、デフレが持続するよう状況では、物価は安くなりますが、企業収益が悪化します。デフレでない時と同じ数のモノを売った場合は、デフレ状況下ではモノの値段が下がっているので、売上が悪化します。
企業の収益力の低下はやがてリストラを誘引し、失業率が高くなります。結果、不景気になってしまうという訳です。
直面しているデフレから脱却することが日本の課題となっています。この辺の説明は池上彰さんの解説が分かりやすいので動画を貼っておきますね。